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作品名:詩群2・春が訪れる 作者:砂野徹

第3回   あぶらが多い私


            あぶらが多い私
            こめぶとんで目が覚めて
            うすやきたまごのシャツを着て
            カルビの花にごあいさつ

            おでんのような家を出て
            とうふのようなバスに乗り
            あらまきじゃけの書類入れ
            助六寿司のキーボード

            あぶらが多い私
            ちくわの穴で地図を見て
            あぶら馬の背に揺られ
            たきこみごはんの街をゆく


            あぶらが多い私
            クレープソファにこしかけて
            メレンゲレースのすきまから
            夜空に浮かぶチョコボール

            生クリームが出る蛇口
            ジャムで満たされた金魚鉢
            ミルクが踊る噴水に
            あんこがつまったマグロ焼き

            あぶらが多い私
            誕生石は甘露飴
            あぶら猫を抱き寄せて
            みたらしだんごの夢の中










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