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作品名:詩群2・春が訪れる 作者:砂野徹

第10回   輪廻
         

            湖は鏡となって
            千年の未来を映す
            光と闇を孕んだ
            風が走る草原
            
            遠い国の見慣れた街の
            逃げる鳥と踊る魚
            深い夢が浅い眠りを
            ふるわせる霧の部屋

            湖は鏡となって
            千年の昔を映す
            光と闇を包んだ
            雲が黙る夕暮れ

            白い蛇の瞳の奥の
            井戸の土にひそむ言葉
            青い雨の底の波間に
            揺れている石の舟

            朽ちかけた記憶の箱に
            ひびわれた布を結んで
            光と闇を繋いで
            出会うあなたは私











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