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作品名:詩群・いつからかここに 作者:砂野徹

第8回   窓の奥で


          おがくずの中でみのむしは安堵する

          宇宙に中心はあって端は無い

          雨降りでも朝には明るく

          夜の底でも暖かい寝床で

          えんぴつの芯のように材木に包まれて

          発酵した体がやわらかく光るまで

          仮死と仮生を接着して

          冬の到来を待たせておこう

          こがねむし型のドアを閉じて

          夢に落ちる楕円筒の時間帯

          鉄道のポスターをよく読めば

          飛び飛びの文字に示されて

          無人島のふぞろいな枕木と

          番外の貨物車は移動せず自転する








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