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作品名:詩群・いつからかここに 作者:砂野徹

第7回   楔の朝


              コップの底の力で
              今日の食べ物を撃ちにゆく

              割り箸で地図を描いて
              ガムテープで約束を繋ぐ
 
              菱形の免許証で
              陸橋を越えて

              トゲウオの通りから 
              ひらがなの路地を抜ける
  
              瑠璃色のチーズは
              砂丘に隠れており

              焦げ色の果実は
              種だけに味がある

              筆箱にコインを入れて
              貸していた腕を受け取ったら

              胸の石炭に火を入れて
              碇のような
              ヒキガネを巻き戻す












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