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作品名:詩群・いつからかここに 作者:砂野徹

第2回   ダダダ



          ぼくのもどかしさひとやま百円

          君のなつかしさふくろづめくじびき

          曇った昼寝から目覚めたあとで

          かたつむりと握手する



          風の無い日に傘をひらく

          空腹の旅人はどこまでも歩ける

          朽ちてゆく引き出しの銀河



          ぴかぴかのお皿に

          映らない彼の顔

          脆いアリバイを書いた手帳を

          鍋で煮込んだ犯罪者



          ひらかない窓を割って

          旅に出た石の鴉



          握れないスコップと

          灯らないランプの

          戻らない昔



          語り尽くされたみかん箱に

          何も残っていなかった













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