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作品名:詩群・いつからかここに 作者:砂野徹

最終回   いつからか此処に


灰色の服を着て背の高い忍者
手裏剣に鍵かけて切手を買いに行く

そらいろの靴を履いて手品師の侍
印籠に砂詰めて缶ジュース飲みに行く

黒い釘で栗を剥く控え投手の浪人
新聞紙丸めた筒 木星を覗く

           屋上で目が覚めて地下室へ出勤する
           電球の時報42時2グラム

           夜勤明けですれちがう銀色ネジオトコ
           研究の成果は一輪のスクーター

           僕の恋人はリンゴを読みながら
           縁日で掬った知恵の輪を食べてる


           町の名はメビウス 国の名はクライン
           電線の蔓を伸ばし
           ひょうたんのようにここにいる














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