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作品名:JUNKs 作者:

第1回   1
私達の記憶にある世界とは暗い闇とコンクリートのザラリとした冷たい感触

耳障りな声と鈍い痛み、彼らは私を殺さず傷つけるだけ

それが日常、私達が生きる事を許された世界

希望も無ければ絶望も無い、否そんな言葉も知らない世界

それが私達の人生、それが永遠であり、全てなのだと受け入れた。





誰かを呼ぶ声が私を眠りから引き上げた。

「んん、」

質素だが丈夫なパイプのベットから身を起こし窓の外をみると屋敷の目の前の通りを歩く人たちが見える、キィという鉄がこすれる音を鳴らし窓を開けると冷たい外の空気とそれを運ぶ風が部屋の中に無遠慮に入り込んできた。

通りを歩く人は皆厚着をしマフラーや帽子を身につけ冷たい風から身を守ろうと体を小さく縮めている。

季節はもうすぐ冬になるが、雪がこの土地に降るのはまだ先の話だろう、そう言えば前に叔母様が話してくれた、ここより北にある叔母様の故郷は一年の半分が雪だそうだ。

そんな未だ見ぬ町の風景をぼんやりと考えていると部屋のドアが軋みながら開いた。

「おはよう、よく眠れたかしら?」

扉から入ってきたブルーの瞳が特徴的な白髪の女性に優しい笑顔をむけられ、私は今の状況を把握しおおいに焦った。

「すいません叔母様、すぐに朝食の準備を」

いけない、どうやら寝過ごしたようだ。急いで支度しなくては、しかしそんなあわてる私を落ち着かせるように

「いいのよ別に、もう朝食の用意は出来ているから。」

叔母様にそう言われてしまい、私は気恥ずかしさと申し訳なさに顔を伏せることしかできなかった。

「それにしても、あなたでも寝過ごすことなんてあるのね。」

軽く自分の頬に手を当て、非難するわけでもなくただ微笑み続ける叔母様に私は本当に申し訳なくなるばかりだった。

「、、、申し訳ありません」

私の恥ずかしがる様子がおかしいらしく、クスクスと笑いながら「先に下に降りているから着替えていらっしゃい」といい叔母様は部屋を出て行った。

いつまでも俯いてるわけにもいかず、私は急いで着替えに取りかかった。

黒いジーンズを履き白い無地の長袖シャツの上に少し厚手の上着をはおり、少し考えたあと私は皮の手袋を両の手にはめた、
右手の甲に刻まれた禍々しい刻印を隠すために、私が人であってはならないモノだという事実を隠し、逃れるために。


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