【6】 今日はせっかくの休日と言う事もあり、優子には表の世界を体験させたく初めて外に出してあげる事にした。 これは、世間一般に言う【デート】ってものなのだろうか? 奥手だった僕には女性との外出はやはり身内以外ではした事がなく、デートとは何をすれば良いのか何処へ行けば良いのかもまったく解らない。 そこで直接優子自身に、何処へ行きたいのかを訊ねてみる事にした。 そして優子の返事はこうだった。 「ドコヘ イキタイカ? ・・・・・ トシオノ イキタイトコロヘ」 この言葉は何を意味しているのだろう? 僕と一緒に出かけるのが嫌なのか、もしくは初めてのデートで僕の力量を試しているのだろうか・・・。 素直に取れば、僕に何処までもついて来てくれる従順な奴なのだろう。 優子の可愛い素直な顔を見ていると僕の心は次第に弾んできた。 「よ〜〜し!、車で海へ行こう!!」 優子は僕の言った行く先を否定する事も無く、喜んで頷いてくれた。 そして出かける為に身支度を開始した。 今の時間はまだ朝の8時30分、優子の作ってくれた朝食を済ませる。 ちなみに今日のメニューは【ご飯・納豆・目玉焼き・タクワン・シジミの味噌汁】の5品。 その内、今回の優子の手作り料理は3品。 ご飯はお粥並の軟らかさで消化には良いだろう・・・。 目玉焼きは玉子の殻入り、カルシウム抜群である・・・。 シジミの味噌汁・・・お椀の底には砂が・・・・。 優子の愛情のこもった手料理を食し、一緒に後片付けを済ませる。 その後は優子の身支度の番だ、やはり外出ともなればそれなりの格好をさせなくてはならないだろう。 しかし家には男性用の服はあるものの、女性用の衣類は一切無い。 出かけ先の途中で買っていくか? 取り合えず有る物でも着せない事にはしょうがないので、優子には家に有る物で着せてみる事にした。 頭には【ニットの帽子】手には【手袋】足には【靴下】上半身には【セーター】それに【ツナギ】を穿かせる事にした。 それなりに様にはなっているが、着る物が男物だけに優子に着せると、どうしても坊やに見えてしまう。 【ドウ トシオ ニアウカシラ♪】 優子は普段では見慣れない自分の格好が余程気になるのか自分の姿を鏡越しに見ながら上機嫌に僕に訊ねてくる。 サイズが男性用な為に似合う訳も無く、僕は優子の袖や裾を静かに捲くってあげそれから「とても良く似合うよ」と褒めてあげた。 「アリガトウ トシオ ウレシイ♪」 そんな言葉を返す優子がとても可愛く思えた。 そうこうしている内に時間は過ぎ、家を出る頃には10時を過ぎていた。 身支度は万全、優子の充電も多分完了・・・だと思う・・・。 基本的に僕は優子が充電しているところを見たくはないので、 その辺の事は優子自身に覚えて貰い、自分でさせている。 「よし戸締りも完了、しゅっぱ〜つ!」 優子にとって外は初めての世界である、優子は辺りを見回しその後僕にこう訊ねた。 「???!!・・・・・ ソトッテ・・・ヒロイノネ・・・」 僕は優子の心境を気遣って声をかける。 「どうだい、怖くないかい?」 優子は物怖じもせず僕の後を追い、そしてこう言葉を返した。 「トシオト イッショダカラ コワクナイ タノシイ♪」 僕は海に行く前から、一生分の幸せを手に入れた気がした。 そして僕と優子は車に乗り込むと僕はエンジンキーをひねった、そうして僕と優子の初めてのデートが始まった。 続く・・・
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