【5】 優子と一緒に過ごし始めてから、もう一ヶ月が過ぎた。 苦手だった料理の腕も次第に克服し、最近では食べられる程度にはなって来た。 優子が作ってくれた今日の朝食は、【焼いたバタートースト】と【コーヒー】の2品。 トーストはオーブントースターで焼いただけ、コーヒーは優子が用意し入れたのは僕・・・。 昼食は外食で済まし、夕食は【ご飯・海苔・生卵・鮪の缶詰め・白菜の漬物・わかめの味噌汁】の6品。 その内で優子の手料理は【ご飯】と【味噌汁】の2品。 ご飯はやや硬めでゴムの様だが頑張ればいける・・・。 味噌汁の味は以前の様な混合油臭さが無くなり、取りあえず飲める様にはなったがダシが薄い・・・。 料理の出来が気になるのか優子は決まってこう質問して来る。 「キョウノ アジツケハドウ? オイシイ?」 そんな優子に僕も決まってこう返す。 「今日もとても美味しいよ、有難う優子!」 その言葉を聞くと安心した様子で、「ヨカッタ♪」と彼女は喜ぶのだ。 正直味など今更どうでも良い事なのだ、彼女とこうして一緒に過ごせる事が何よりの幸せなのだから。 今日は始めての試みで優子と一緒に寝てみる事にした。 今まで彼女には隣の部屋で朝も夜もテレビを観させていたが、 僕達は夫婦なのだから今更一緒に寝て何の恥じらいがあるだろう? いや、むしろ夫婦なのにも拘らず一緒に寝ないのもおかしい。 僕は思い切って一緒に寝て貰う様、優子との交渉を決意する。 「優子!、今日は僕と一緒に寝よう!」 緊張からか自然に肩の力が入る。 「ドウシタノ トシオ?・・・・イイワヨ」 優子は割りと呆気無く承諾した、どうやら彼女には男と女が一緒に寝ると言う意味をあまり理解していないようだ・・・。 そんな事で優子と今日は一緒に寝る事になったが、優子の格好がやはり気になる。 そこで僕は自分用のパジャマを試しに優子に着せてみる事にした。 着せてみるとこれがまた良く似合い、僕のサイズで大き過ぎたのかブカブカでとても可愛いのだ。 「ドウ ニアウカシラ トシオ?」 僕は「とても良く似合うよ」と褒めてあげ、その後優子の肩に手を回し優しくベットの中に優子を誘導した。 身内以外で女性と肩を並べて一緒に寝るのは今日が始めての事である。 俊夫は意を決して優子を強く抱きかかえると、優子に向かい合いキスを試みた。 「!?・・・・」 優子は訳も解らずと言った表情ではあったが、僕の接吻を拒む様子は無かった。 初めての口づけだった、正直優子の唇は冷たかった。 それ以上の事は何もせず、お互い黙っていた。 しかし本当はそれ以上の事を強く望んでいたが、現状を知っている僕にはそれしか出来なかった。 その後は止むを得ず僕は寝る事にした。 優子は寝息も無く大人しく僕の側にいるが、正直モーター音が気になり僕は中々眠りにつく事が出来ない。 そこで僕は沈黙を打開し、優子に質問してみる事にした。 「優子眠れるかい?」僕なりに考え彼女を気遣った言葉だった。 「ネムレル?・・・・・ スタンバイジョウタイニ ナルッテコトデ イイカシラ?」 彼女にしてみれば【寝る=スタンバイ】 特別な妻を持ったが故にHが出来ない事も含め、彼女を理解してあげなくてはならないと思った俊夫であった。 続く・・・
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