【46】 「ついに新ロボット誕生!外見も更にグレードアップした素敵なアンドロイド、その名は『ウラヌス』 お値段もお手頃価格の550万円!お子様からお年寄りまで皆様の希望に応えます。」 今日もテレビではNAZAのCMが流れている。 街中にはアンドロイドで溢れ、今や人間と共に働き生活も共存している。 以前NAZAは少子化問題に拍車をかけるとして国に指摘されて以来、恋愛型のアンドロイドの生産は中止となりNAZAによって回収もされた。 「優子・・・。」 僕の優子も回収された内の一体である。 記憶を失って以来僕は、優子の事を本物の人間だと信じていた。いや、信じようとしていた。 過去に若菜からは優子はサイボーグ(半身ロボット)だと聞かされてはいたが、優子はアンドロイド(完全ロボット)であった。 優子と出会ってから10年、あれから僕の記憶はまだ戻らない。 今思えば、本物の人間だと信じたい気持ちが僕を記憶喪失にさせたのだと思う。 僕は現在コピーライターと言う職業についている、今も自宅のパソコンの前で仕事をしている。 「お兄ちゃん仕事は良いけど、ちゃんとご飯食べてるの〜?」 僕の妹的存在『若菜』が部屋に入って来た。 彼女にも以前付き合っていた恋人がいた様だが、どうやら相手はNAZAが開発した恋愛型のロボットだったらしい。 国の方針とは言え恋人がNAZAによって回収されてしまい彼女も相当堪えたらしい、それ以来仕事の助手として彼女は居候をしている。 「ねえお兄ちゃん、同じ境遇の持ち主同士結婚でもしちゃおうか?」 最近の若菜は僕と軽率にも結婚しようとする。 「でも駄目なんだよね〜、お兄ちゃんの頭ん中はまだ優子ちゃんでいっぱいだもんね〜。ねえトトちゃん♪」 若菜はハムスター5代目トトちゃんに声を掛けている。 「まあ私も彼だった『ダニエル君』が本当は忘れられないけどね♪」 そう言うと彼女はパンとコーヒーを僕に差し出した。 仕事がてらに食事をしていると、パソコンに一通のメールが届いた。 それはNAZAの若本さんからである、内容は以前回収した『優子』の件についてであった。 「実は優子さん(プロトタイプ型マース)には基となるモデルがおりました。 こちらNAZAの女性研究員、名をマーサと言います。 彼女はとても探究心が旺盛で、自分とウリ二つのアンドロイドを作る事にとても協力的でした。 しかしその彼女も一年前に事故に遭ってしまい、脳死の状態で生き続けておりました。 以前の彼女やご家族の意向も考慮した結果、彼女の身体と優子さんを繋げる手術を実行する事に踏み切りました。 そして優子さんのサイボーグ化に無事成功いたしたしたので、優子さんはそちらにお返しいたします。」
今僕達は浜辺で海を眺めている、人間と化した優子の姿は以前に比べそれ相応に歳はとったが今でも可愛らしいその姿は僕を虜にする。 「ねえ俊夫、この夕日以前見たのと同じなんだよ。」 「・・濡れた身体で無理して夕日を眺めていたのはどこのどなたかな♪」 「俊夫!?・・・・。」 夕暮れの海は二人の時間を寄り戻す、優子のお腹の中に希望の光を宿して。 終わり☆
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