【40】 「ぉしお!、俊夫!」 誰かが耳元で叫んでいる声が聞こえる、意識はあるものの何だか全身が重くだるい。 そっと目を開く、天井が眩しい。 「母さん!、俊夫が目を覚ましいたよ!!」 「あら本当!!、俊夫聞こえる母さんだけど!?」 誰だろう?、しきりに僕に向かって何か訴え掛けている様だけど誰だかは思い出せない。 「どなたですか?」 とりあえず僕は質問をしてみた。 「どなたって?、何言ってるの!あなたのお父さんとお母さんに決まっているでしょう!?」 「俊夫どうした!?」 (お父さんとお母さん?) 何の事だか全く身に覚えが無い、それどころか自分自身でさえ一体誰なのかも思い出せない。 「ここは何処ですか?」 目の前にいる二人は何故か驚いている様であった。 「俊夫あんた何も覚えていないの!?」 「・・・・・・・・・。」 (僕の名前は俊夫と言うのか) 「俊夫が今いるこの場所は病院の中よ、あんたは頭を怪我してここに運ばれて来てもう何日も入院をしているの。」 (病院で僕が入院?、何故僕は入院をしているのだろう?) 「!?、俊夫!?」 また誰かが僕の元に現れた、だがやっぱり誰だか思い出せない。 「優子ちゃんよ、俊夫あんたを助けてくれた命の恩人の子よ。覚えてる?」 (ゆうこ?) その優子と言う女性に向かって僕の母と名乗る人が何か話をしている。 「俊夫〜っ、何も覚えてないの!?私よ、優子よ!」 僕は懸命に思い出そうとすると、突然頭痛と吐き気やめまいに襲われた。 「母さん、優子ちゃん今先生呼んで来るよ!」 父と名乗る男性が慌てて外へと飛び出して行った。 そこで僕はまた気を失ってしまった。 それからどれ位が過ぎたのだろう、目を開けると僕の側には一人さっきの若い女性が椅子に座っていた。 僕の意識はさっきよりはハッキリしている、そこでこの女性に話掛けてみる事にした。 「確か、優子さんでしたっけ?」 突然の僕の声掛けに驚きつつも、その女性はすぐに反応を示してくれた。 彼女なら何か知っているかと思い、僕は色々と訊ねる事にした。 続く
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