【35】 優子の手がかりが全く掴めずにいた僕は、優子が家に戻っている事を信じて自宅へと帰った。 もしもの事を踏まえ部屋には電気を点けたまま玄関の鍵もあえてかけずに家を出た僕だが、相変わらずこの家に人の気配は無い。 優子が家に居ない事を実感すると僕は再び愕然とした。 「僕のせいだ・・僕が優子の気持ちをもっと理解してあげられていればこんな事には・・。」 肩を落とし落ち込んでいると、外で何か物音がした。 「優子か!?・・・。」 慌てて玄関の方へ向かうと、そこに立っていたのは美野月さんであった。 「俊夫さん・・。」 僕はとりあえず彼女を家の中へと上げた。 「こんな事になるなんて・・私・・・。」 彼女は申し訳なさそうにうつむいている、そしてその後こう答えた。 「何か手がかりになるような物は無いですか?」 手がかりになる様な物・・僕は以前デジカメで撮影した優子の動画映像を彼女に見せた。 この人は本当にこれでアンドロイドなんですか!?、私まだ信じられないです・・。 彼女が信じられないのも無理は無い、僕自身優子の事を本当は人間じゃないのか?と疑っている位なのだから・・。 優子さんが本当にアンドロイドなら、それを作った方が何か知っているのではないでしょうか? 「!?・・・。」 そうだ確かに彼女の言う通り、NAZAなら何か優子の手がかりが掴めるかも知れない! 僕は以前色々とお世話になったNAZAの若本さんに早速電話を掛けてみる事にした。 すると若本さんは僕の話に心良く対応をしてくれた。 「優子さんはあなたに嫉妬して、更に家を飛び出して行ったと!?・・そうですか、そこまでになりましたか!ハッハッハ!」 この事態に若本さんは大笑いをしている。 「失礼しました、実はこの嫉妬の感情は私が担当した研究の成果なんですよ♪ 優子さんの居場所に関しては何の心配も要りません、私達NAZAには優子さんの居場所位なら簡単に調べられますのでどうぞご心配なく♪」 若本さんは僕の心配を他所に、何故か上機嫌である。 「それでは今から優子さんの居場所を確認しますので、ちょっとだけお待ち下さいね。」 5分もせずに若本さんは調べを済まし、僕に優子の居る場所の詳細を教えてくれた。 でもどうしてそんな簡単に若本さんは優子の居る場所が解ったのだろう?・・・。 若本さんの話では優子は無事路上を歩いているとの事であった。 優子が無事である事が確認出来ると、僕は目に涙を浮かべ喜んだ。 若本さんとの話を終え、僕は早速その場所まで優子を迎いに行く事にした。 「美野月さん有難う!君のお陰で優子の居場所が解ったよ♪」 僕は彼女にお礼を言うと早速優子を迎えに行く事にした。 「待って下さい!!」 美野月さんは僕を呼び止めた。 「優子さんを見つけた後でも、私と逢って頂けますか?・・・。」 僕は暫く考えてから彼女に向かって「・・・それは出来ないよ。」と答えた。 すると美野月さんは僕の体に後ろから抱きついた。 「なら行かせません・・。」 泣きながら答える彼女を無理矢理に振り払う程の勇気が僕には無かった。 続く・・・
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