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作品名:鉄の妻 作者:池野 蛙

第30回   第三十話
【30】
小鳥のさえずる声、カーテンの隙間からの眩しい日差し。
今日も私の一日が始まる。
朝は正直苦手な私、なのにもかかわらず毎朝慌しくガサツに食事を持って来るあの男。
最低・・。
ここの家に住み始めてからもう二ヶ月程、住み心地としてはまずまずね。
初めてあのヘボ男に出会った時は正直「コイツにだけは抱かれたくない!」って思っていたのに、何でアイツに捕まるの!
あのダラシナク鼻の下伸ばしてデレデレと私の姿を見る目・・正直ムシズが走るとはこの事ね。
それに比べて『優子』って呼んでるあの子は可愛いわね、素直だし何と言っても私を大切にしてくれるもの♪
あ!早速優子が来たわね、ひまわりの種なんかかじっている場合じゃないわ。
挨拶挨拶〜♪
「優子ちゃ〜ん、お早う!!」
あ、来た来た?・・また私をカマってくれるのかしら?
「トイちゃん、お早〜う!いつも可愛いね?」
そうそう、この子の手の上に乗って、悪戯するのが私の生・き・が・い?
今日も『プリ』っとお見舞いしちゃうから?
「優子〜!そろそろ会社行くから、食事の後片付けヨロシクな〜♪」
またあのダサ男!どうして私がこの子と遊んでいる時に、いつも邪魔に入って来るかな〜?
「うん、優子後片付け頑張るね〜♪」
この子もあんな奴の言いなりだし・・。
いいわ、今日はアイツに『この子にはもう付きまとわないで!』って私の方からガツンと言ってやるんだから!
「あ、トイちゃん!そっち行っちゃ〜駄目だよ〜!」
ちょっと待っててね、私が一発ガツンと引導を渡してあげるんだから!
あれ、アイツったら何処へ行っちゃったのかしら・・・?
ちょっと迷っちゃったじゃな〜い・・。
「きゃ〜!!何!?、あの黒くて頭の棒が交互に揺れているあの薄気味悪い生き物は!?」
こっちにもの凄い勢いで迎って来るじゃない!・・とりあえず逃げなくちゃ!
私だって素早さなら誰にも負けないんだから、どう思い知ったかしら♪
でもここって何処かしら?・・・。
「優子、慌ててどうしたんだい?」
「ちょっとした隙にトイちゃんが何処かへ逃げちゃったの・・。」
(そろそろ仕事に出かけなくちゃいけないって時にトイ助は・・。)
「もう僕は仕事に行くから優子、いつものお出かけのキ・ス?」
「もう!しょうがないわね〜俊夫ったら?」
(あ、いたわあの二人!私の優子にあのクズ男は何てハレンチなの!)
私は一直線にあの男目がけて突進した。
「コツン!」
「トイちゃんみっけ〜?」
「コイツ指噛むなよ!!」
遭えなく俊夫達に捕まり、無事保護されたトイちゃんであった。
続く・・・


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