【25】 優子は朝になると自らの体内時計で今日は僕の起床時間のきっちり二時間前には起きた様だ。 そして朝食の支度をする、僕は昨日の疲れもありそんな事とはつゆ知らずイビキをかいて寝ている。 それから僕の起床時間がやって来た、優子は僕の下に訪れると優しく声をかける。 「俊夫ぉ〜時間だよ〜♪」 僕はまだ眠いのでもう少し寝かせて貰おうと、優子に空返事だけを返しまた眠ってしまった。 「俊夫〜!、起きて〜!!」 今度は少しムキになり、優子は僕の上に体ごと乗っかって来た。 「ぐげ!、ぐるじぃ〜!」 優子の体は意外に重く僕は一瞬で目が覚めた。 初めは優しく起こしておいて、起きない僕に対して次は乗っかるって・・。 「わ〜い!俊夫起きたね?、時間だよ〜♪」 僕がやられている様子をトイちゃんは面白がって見ている様であった、こんな時以外は僕の方等見向きもしないのに・・・。 (トイ助め〜!) そこに優子がトイちゃんに挨拶をする。 「トイちゃんお早う♪」 トイちゃんはそれに応える様に体を起こし優子の方を見ている。 (まあいいか・・) 僕は早速居間へと向かうとテーブルの上にはまるで朝食とは思えない程の料理の品々が所狭しと並べてあった。 「今日優子頑張ったから・・・・・負けて無いと思う!食べて俊夫♪」 今日の朝食は・・ 【ご飯・豆腐とネギの味噌汁・野菜炒め・玉子焼き・漬物・海苔】と、ここまでは普通だが更にそれに加え・・ 【煮物・焼き魚・お浸し】等など・・。 完全に優子はオフクロにライバル視している・・・。 せっかくの優子の作ったご馳走なので、僕は早速朝食を頂く事にした。 (美味い!!) もう愛情の込もったと言うか、どちらかと言えば女の意地にも似た『正に執念の料理』に僕は絶句した。 「俊夫ぉ〜、お・い・し・い?」 笑顔で聞いてくる優子だがその目は決して笑っていない・・・。 僕はこの回答に選択の余地は無いと本能的に察知し、即決優子の料理を褒め称えた。 「嬉しい〜!!・・俊夫ぉ〜愛してる!チュ?」 確かに料理は美味しいのだが、朝食からこのボリューム・・正直完食する自身は無い。 更に異常なまでのオフクロに対するライバル心・・オフクロとも上手くやっていけるのかが心配である。 僕は案の定オカズを残してしまったので、そこは頭を利かして優子に会社へ持って行く弁当を作って貰う事にした。 「俊夫ぉ〜!、お仕事気をつけて行ってらっしゃ〜い♪」 こう送り出されると不思議と仕事にも意欲的になるものである、僕は「忘れ物をした♪」と玄関先で優子と口づけを済ます。 「俊夫ったら?・・」 (案外僕って幸せかも・・・) 何だかんだあっても次の日には仲直り、優子の笑顔に見送られて愛妻弁当を持ち元気に出勤する俊夫30歳の夏であった。 続く・・・
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