【24】 オフクロも帰った事なんで僕は車の中の大荷物を片付け、早速オフクロの作ってくれた料理を食べる事にした。 煮物一つとって見ても味が濃過ぎず、ダシも良く利いてジャガイモも煮崩れをしていない。 流石に料理の腕は歴戦の強者、ベテランらしい仕上がりであった。 隣で優子はその料理を食べている僕の様子を黙って見つめている、そしてその後一言こう答えた。 「美味しい?・・・。」 何とも気まずい空気である・・。 そこで僕は改めてオフクロの手料理を思いっきり不味そうに見える様に食べて見せた、そして優子の手料理の方が断然美味しいと褒めて優子の機嫌を窺った。 しかし優子はまだ納得のいかない様子であった、優子の目には涙を浮かべている。 そこで僕はこの状況の打開策として優子の気持ちを聞いてみる事にした、すると今まで我慢していた優子の思いが次から次へと語られた。 一つは、オフクロが来ていた時にウッカリ話してしまった【妻では無く彼女】だと言う事。 二つ目は、オフクロの前で優子の事について【嘘の報告】をした事。 三つ目は、さっきまで【美味しそうに食事をしていた】という事。 それらの事で自分の存在価値って何だろうと、悲しくなってしまったとの事であった。 確かに僕はさっきはその場の思いつきで嘘の証言をしてしまった事で優子自身にも傷付けてしまい申し訳ない気持ちでいっぱいになった。 そしてその事で明らかになった事もいくつかある事に気が付いた。 一つは、僕は【優子と結婚をまだしていない】と言う現状。 二つ目に、僕の気持ちの中にはまだ世間の目を気にしてか、実の親にさえ【優子の事を打ち明けられなかった】と言う事。 三つ目に、【優子の気持ちをすぐに察してあげられなかった】と言う僕の器量の狭さ。 僕はそんな自分に嫌気がさした、そこで僕はそれらのテーマを一つづつ優子に打ち明け解決して行く方向で物事を進めて行く事を優子の前で誓った。 優子はそんな僕の前向きな気持ちを理解し、許してくれた様であった。 「そうだ!まだトイちゃんにただいまの挨拶をしていなかった〜!」 そう言うと優子は真っ先にトイちゃんの下へと向かった、トイちゃんは優子の姿を見るとやけに上機嫌である。 「やだ〜トイちゃん、優子の手の上にまたウンチした〜♪」 僕がトイちゃんの下に現れると、とたんに顔をプイっと優子の方に背けてしまい一向に僕になつく気配を見せない。 (このウンコねずみめ!) 僕はこの2人の関係にまたもや嫉妬した。 夕飯も終えたところで僕は入浴をする事にした、また優子と一緒に入浴をしようとするが優子の方がそれを拒否。 まあ今回は仕方が無いと思い、夜一緒に過ごせれば良いと自分に言い聞かせた。 入浴を済ませた僕達は今日デパートで買ったお揃いのパジャマを着てみた、彼女はピンクで僕はブルー。 「わ〜い、俊夫とお揃いだね♪」 優子は着心地の良さを実感するかの様に、そのパジャマの触感を確かめている。 優子のパジャマ姿がこれがまたとても可愛い、しかもお揃い。 僕は早速優子をベットの方へと誘った、優子の方もここは素直にしたがった。 灯りを消し僕は早速優子に抱きついた、しかし優子は一言「今日は私、先に寝るね♪」 それだけを言い残し自ら胸の電源スイッチを押すと、優子はそのまま寝てしまった。 愛する優子を目の前にして、この不発な気持ちの矛先に迷う夜であった。 続く・・・
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