【23】 映画を見終わった後僕達はそろそろ家へ帰る事にした。 帰りの前に優子に必要な物と夕飯の食材を買い揃え、僕達は我が家へと向かった。 家に着く頃には腕時計の針が午後の5時を回っていた、優子は疲れた様子も無く「楽しかった〜♪」と上機嫌である。 僕達が玄関先へ向かうと家の中は灯りが灯っていた、僕は部屋の電気を消し忘れたのかと思った。 家に入ろうとすると玄関の鍵がかかっていない・・・。 恐る恐る中へ入ってみると部屋の中が綺麗に片付けられている、そして部屋の奥から誰かがコチラに向かって来た。 「あら俊夫!?帰りが早かったわね♪・・今日はお仕事お休み?」 何と家の中にいたのは【オフクロ】であった。 僕は見なかった事にしてそのまま玄関の扉を閉めた。 どうしよう・・今日ズルで仕事休んで更にここには優子がいるし、優子の事を何て説明したらいいのか・・・・・。 家の中から声が聞こえる。 「俊夫どうしたの〜?、ふざけてないで早く上がってらっしゃい!」 ここで優子の方も何がおきたのか僕に訊ねてくる。 「ねえ俊夫ぉ〜、どうしたの〜?」 僕は板ばさみの状態になった、この状況の打開策は・・・無い・・・・・。 意を決し僕は事のままをすべて白状する決意で、優子と一緒に家の中へと入った。 「!?・・・・・どうしちゃったの俊夫!?・・これまた随分可愛い子連れて!?」 オフクロの驚き様は半端では無く顔はかなり引きつっている、しかしその顔は次第に笑顔へと変わっていった。 「お前ついに彼女が出来たのかい!?・・そうならそうとハッキリ言えば良かったのに〜♪」 一瞬にしてオフクロは上機嫌となった、僕が言葉を返す隙も与えずに次から次へとしゃべりだす。 「お前最近家に何の連絡もよこさないから、心配になってここで料理作って待っていたんだよ。」 その後はオフクロに半ば強引に進められるままに僕達は家の中へと入らされた。 テーブルの上には煮物や焼き魚等の料理の品々が所狭しと置かれており、お腹の空いた僕にはとても食欲のそそる物であった。 オフクロが台所で夕飯の支度をしている隙に僕は優子に事の説明をした。 「そう言えばまだその子の名前聞いてなかったわね、何て名前なの?」 僕が話す前に優子の方から口を開いた。 「優子と言います・・」 「優子ちゃん、可愛い名前ね! 優子ちゃんも良かったら食べてってね♪」 そう言うとオフクロは優子の食事も用意し始めた。 僕は優子が食事が出来ない事を察し、「僕達はついさっき外食を済ませて来た」と嘘をついた。 「そうなの?余計な事しちゃったわね、ごめんなさいね・・じゃ良かったらお腹空いた時にでも食べてくれる♪」 気を利かしたオフクロはテーブルに置いてあった物をラッピングし台所へと片付けた。 旨そうな食事を目の前にしてお腹の空かした僕には、蛇の生殺しな気分である。 「ちょっとおしゃべりしても大丈夫かしら?」 片付けが済むとオフクロは半ば強引に僕達の下に現れた、そして僕は色々と質問攻めを食らった。 どこで知り合ったとか、お付き合いしてからどれ位経つのかとか、お家は何処なのか、彼女はいくつなのか・・・・・。 オフクロは優子がロボットだと言う事には一切気付いていない様であった。 僕は思いつきのまま優子の正体がバレない様に嘘を並べたてた。 優子はと言えば、大人しくしている様子。 「俊夫、私そろそろ帰るから優子ちゃんを大事にね♪・・それから早く結婚でもして私に可愛い孫の顔でも見せてちょうだいな!♪」 オフクロは言いたい事を全て言い尽くすと、そのまま実家へと帰って行った。 嵐の後の静けさとは良く言ったもの・・・、隣に無言で僕の方を見る優子の視線が今日はやけに恐く見えたのは気のせいだろうか・・・。 続く・・・
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