【20】 翌朝包丁でまな板を叩く音に僕は目が覚めた、僕は台所に向かうと裸にエプロン姿で優子は朝食の用意をしていた。 「あ!?俊夫起きちゃったのぉ〜!?・・ 昨日着ていた服は全部洗濯しちゃって、着る物が見つからなかったからコレしか着てないの。 恥ずかしいから向こう行ってて!」 (ナイス シチュエーション!)僕は心の中でガッツポーズをし、そんな優子の後ろ姿をだらしなく見入っていた。 「俊夫のエッチ!あまり見ないで〜!」 朝から優子のお叱りを受け、止むを得ず僕は居間で優子の朝食を待っていた。 朝からこんな出来過ぎたシチュエーションを僕はどれ程待ち望んでいた事か、感動のあまり涙が込み上げてくる。 昨日の夜の事を思い出す、やっぱり僕は下手だった・・・。 優子は少し痛そうな素振りをしていたのに対し、僕はその時は無我夢中になっていた。 涙を見せた優子に多少気い取られつつも、僕はそのまま続けてしまい優子の中で僕は童貞を断ち切った。 その後少し罪悪感が残り優子に謝ると、優子はそんな僕に黙って笑顔で応えてくれた。 それから一言「嬉しいよ、俊夫?」と・・・。 昨日のモヤモヤな気持ちが今だに冷めてはいない・・ さっきの優子の姿を見て再びその感情が湧き上がってしまった。 そうこうしている内に優子の手料理が運ばれてきた、昨日のカレーライスに加えて具沢山なミネストローネスープである。 「お待たせ、俊夫ぉ〜♪」 食欲よりも別の欲望が渦巻く中、僕は優子の作ってくれた手料理を優先し優子にお礼を言うと早速食べ始めた。 「美味い!!」 一日経ったカレーは具の内部にまで味が染み渡り、まろやかな味わいを醸し出している。 ご飯もやや固めで『このカレーにこれアリ』と言った具合に完璧にマッチしている。 そして次に具沢山なミネストローネスープであるが人間が生きて行くのに必要な栄養素がこれ一つですべてが補える程に具が充実し、更に味の方もビーフ・ブイヨンを利かした洋風仕立てだと言うのにも拘らず決してその味はしつこくなく、それでいて野菜の風味・食感を損なう事無く仕上がったこのスープはお腹にとても優しい究極の味を誇る、正にパーフェクトな食べる薬と言っても過言では無い程のものであった。 僕は寝起きで食欲が殆ど無かったにも拘らず、朝からおかわりをする程に優子の手料理は美味かった。 「朝からそんなに食べて大丈夫なの〜俊夫!?」 優子の心配を他所に僕はこの幸せを妨げる今日の仕事が憎くなってきた、そこで僕は生まれて初めてズル休み計画を実行に移す事を考えた。 どんな言い訳で休もうか?・・今の僕の頭の中には会社を休む事しか考えられない。 親が死んだ事にするか・・バレたらまずいし・・・。 誰かの葬儀に出席・・身内まだまだ健在だし・・・。 ありきたりの方法ではあるけど体調不良を訴えて休ませてもらう・・緊張で元気に喋りそう・・・。 基本的に嘘がつけない僕はどう足掻いても何かバレる様な気がする、そこで僕は良い事を思いついた。 (そうだ!体調不良を偽るんじゃ無くて、体調不良になれば良いんだ♪) そこで僕は早速計画を実行する為に冷凍庫より氷を取り出し、その氷を水風呂の中に入れ更に冷やして僕は携帯電話を持ち込むとそのまま浴槽の中へと飛び込んだ。 (ぎえ〜!冷たい!!) あまりの冷たさに僕は外に飛び出してしまった。 「俊夫ぉ〜、何してるの〜?」 優子は僕のこのおかしな行動を見て心配している。 僕は「体が熱いから冷やしている」と適当な言い訳をして優子を説得させた。 僕はもう一度意を決し、氷風呂へと飛び込んだ。 (ぐぁ〜!ちめたい〜!・・・堪えろ俊夫!お前は病人だ、病人にならねば今日は無い!) 僕はそう自分に言い聞かせ早速携帯電話で会社に連絡を入れた。 「もじもじ鈴木でず・・今日は咳が出て、めまいがじて、下痢に嘔吐、それから吐血に加えで持病のイボ痔がまた再発しまじで・・。 「え!大丈夫ですか!?すぐに入院をしないと・・声もかすれていますし・・。」 「どうにか気合で明日中までには治じまずので・・」 どうにか会社側には上手く騙せた様だった、今回のズル休みには罪悪感があるが仕事の為に優子との大切な時間を失いたくは無い。 僕は優子に今日の休みの事を告げると、優子はもう少し早く言って欲しいと少し怒り気味ではあったがその後は一緒にいられる事に喜んでくれた。 トイ助の奴は今だにのんきに小屋で寝ている、僕はやっと手に入れた今日と言う日を大切に過ごす為にも優子を連れて第2のデート計画を目論むのであった。 続く・・・
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