【14】 僕の前に突然に現れた優子、まるで以前動かなかった事が信じられない位に元の姿に戻っていた。 「優子〜!!」 僕は我も忘れて僕の前に姿を見せた優子を抱き締めた。 「トシオ ウレシイ アイタカッタ♪」 僕は涙を流し何度も頷いた、もう言葉にもならない位に僕は嬉しかった。 ここで若本さんが冷静に話しを進める。 「今回あなたの『マース』え〜・・優子さんですか、優子さんはあなたの記憶が殆ど残っていた為に早い修理が可能となりました。 他の今まで学習した大部分のプログラムは消去されていましたが、各国のマースの情報を一括に集めるマザーコンピューターより行動プログラムをすべて優子さんに注いだ結果、以前よりも優秀なマースとして生まれ変わる事が出来ました。」 若本さんの熱弁を他所に僕と優子はいつまでも抱き合い喜んでいた。 「優子ごめんよ・・・僕が悪かった許してくれ・・・」 僕は償いきれない思いを胸に優子に頭を下げた。 そんな僕に優子は許すどころか自分の方こそ悪いと謝ってきた。 「僕が海へ連れて行ったのが悪かったって言ってるだろ!」 「イイエ ワタシガ ウミヘ ハイッタノガ イケナカッタノ・・・」 そこで若本さんが僕達2人の仲裁に入ってくれた。 「あなたもいけなかったし、優子さんもいけなかったと言う事でここはお互いにこれから気をつけると言うのではいかがですか?」 若本さんの説得により僕達はお互い謝ると、僕は若本さんに呼ばれ優子をここに残して相談室へと向かった。 早速部屋に入ると、そこにはメイドの姿をしたロボットが僕達は待っていた。 「お茶を頼むよ」 若本さんがそのロボットに声を掛けると、早速僕達の下にお茶を運んでくれた。 さっきまでの若本さんとは一転して真面目な顔つきで話始めた。 「以前電話でもお話した事ですがもう一度確認させて頂きます、今回の優子さんの修理に関わる費用の事ですが全部を合わせますと約5千万円が掛かりました。 そして更に人工皮膚やより人間の体に似せる様改造を加えますと、凡そその1.5倍の7千5百万円が掛かる計算になります。」 ・・・・・・・・・・・・・ 「しかし以前にもお約束して頂いた様に、私達NAZAに協力する事でその費用は全部こちらが負担する事が出来ます。 その事に同異ありませんか?」 口調は落ち着いているが、真剣そのものと言った表情で若本さんは僕に問いかけてきた。 どの道僕に選択の余地は無い、ここは男らしく即決で承諾した。 「解りました・・・それでは優子さんの事は我々NAZAが全面的に責任を持ち、今後もバックアップして行きます。 そこであなた様には優子さんとこれから最低5年間は恋愛をして頂きます。」 「恋愛!?」 僕は若本さんの話の内容に驚いた。 正直どんな課題が与えられるのだろうと内心ヒヤヒヤしていたにも関わらず、そんな事で良いのかと思えばそれこそ願ったり叶ったりである。 若本さんの話は続いた。 「今回の優子さんの様に恋愛感情を持ったロボットと言うのは他のマースには一切例が無く、今後のNAZAとしても、優子さんの恋愛感情がとても重要になって来るのです。」 若本さんの訴えに「優子の事は任せて下さい!」と僕は力強く承諾した。 それこそまるで娘を貰い受けるかの様に・・・。 若本さんとの話を済ませた後、僕は真っ先に表で待っている優子の下へと向かった。 「優子・・・また僕とは暫く逢えないけど、気を落とさずより可愛くなって僕の下へ帰っておいで・・・」 そう話す僕の方こそ情けない事に優子の前で気を落とし、涙が堪えきれずに泣いてしまっている。 「ユウコ ニンゲンニナッテ トシオニ キニイラレル オヨメサンニ ナルンダカラ♪」 僕と優子は別れ際に抱き合い、若本さんに挨拶を済ませると僕は自宅へ向けて帰って行った。 続く・・・
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