『このトンネルを抜ければ』2012-04-19
この暗く長いトンネルに入ってから
いったいどれだけの月日が経っただろう?
いつまで経っても出口の気配を感じなくて
入口へ戻りたいなんて何度も何度も思うはず
でも、それじゃここまでの歩みが無駄になるし
今更、力を振り絞ってふりだしなんてバカらしい
少しずつ少しずつ、でも確かに進み続ける
目の前に先に通った誰かの足跡があるから
この先はたぶん行き止まりなんかじゃない
諦めかけたときに限って、隙間から光が射す
それはトンネルの先の世界を予感させるから
立ち止まっても、後ずさったりなんてできない
どこかのエライ作家さんは言ったんだ
人生はメリーゴーラウンドなんてさ
グルグル周っても、また元の場所
そう認めてしまったら、もう動けないじゃないか
リング上のトンネルを周ってるなんて思わないで
円周のトンネルだとしても、これは螺旋のように
どれだけ歩いてきたかなんて、もうどうでもいい
でも、いつしかうっすらとトンネルは明るくなって
それは暗闇でもがく者の心に灯をともすんだ
トンネルを抜けた先に新たなトンネルがあっても
出入口という白に挟まれば、それまでの闇さえ白
そんなオセロゲームが繰り返されつづけるんだろう
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