『夕食』
夕食を取るためいつもの店へ向かった
常連ばかりのこぢんまりとした店
そこは一日を振り返るには最適な店
前菜にきんぴらごぼう
懐かしいホッとさせるその味
食べながら今日の無事に喜びを噛み締める
メインにマグロの鉄火丼
脂の良く乗ったマグロ
その脂がやり場のない怒りに火をつける
ドリンクに土地の日本酒
辛口のよく冷えた地酒
酔いで昔を思い出して哀しみの涙を流す
デザートに黒ゴマのプリン
黒ゴマの風味と自然な甘味
風味と甘味が明日への楽しみを膨らます
食後の一服のためマッチの火を点す
その火にわずかな希望を見つけた
そして、希望は紫煙と共に夜空へ昇って行った
2004年2月14日作 2014年3月2日ラジオNIKKEI『私の書いたポエム』放送分
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