『ひも』
決して糸の切れた凧のようにはならないで
君の心にはまだひもが付いているのだから
今の君には見えないのかも知れないけれど
そのひもはとても丈夫なピアノ線なんだよ
触れれば温かくて、少し潤っているピアノ線
君にそのひもが見えたならいつでも手繰っておいで
ひもの手応えに異変を感じたなら僕らもたぐるから
ひもがあまりにも多すぎたら、絡まってしまうかもしれない
そして、君はその事をウザったく感じるかもしれないけれど
自らひもを切るような馬鹿な真似だけはしないでほしいんだ
そのひもは君のものでもあり、僕らのものでもあるのだから
たとえ、赤の他人には二束三文のヒモだって
僕らだけの確かなプレミアを感じているから
強く強くひもを握り締め続ける
2005年04月17日作 2013年10月22日微改編 2014年1月12日ラジオNIKKEI『私の書いたポエム』放送分
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