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作品名:ねぶの詩集4 作者:ねぶ

第48回   『ひも』
『ひも』

決して糸の切れた凧のようにはならないで

君の心にはまだひもが付いているのだから

今の君には見えないのかも知れないけれど

そのひもはとても丈夫なピアノ線なんだよ



触れれば温かくて、少し潤っているピアノ線

君にそのひもが見えたならいつでも手繰っておいで

ひもの手応えに異変を感じたなら僕らもたぐるから



ひもがあまりにも多すぎたら、絡まってしまうかもしれない

そして、君はその事をウザったく感じるかもしれないけれど

自らひもを切るような馬鹿な真似だけはしないでほしいんだ

そのひもは君のものでもあり、僕らのものでもあるのだから



たとえ、赤の他人には二束三文のヒモだって

僕らだけの確かなプレミアを感じているから

強く強くひもを握り締め続ける



2005年04月17日作
2013年10月22日微改編
2014年1月12日ラジオNIKKEI『私の書いたポエム』放送分


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