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作品名:ねぶの詩集4 作者:ねぶ

第44回   『誰かが太陽』
『誰かが太陽』

満ち欠けしているように見える月は

実際にはいつだってまんまるだ

月が満ち欠けして見えるのは

見ている僕らが動いているから

月は自分自身で光を放てないけど

太陽の光を反射して輝いている



人の心も同じなのかもしれない

満足したり、不満に思うことは誰しもある

でも、それを感じる客観的な自分もいて

その立場は目まぐるしく変わりつづける

浮き上がったり、落ち込んだりの繰り返し

ハタから見ればたいしたことではなくても



一人じゃないから心が欠けると感じて

一人じゃないからこそ得られる満足感

一人きりなら誰に照らされることもない

自分自身で光を放つことのない僕らは

時に誰かを傷つけ、傷つけられながらも

互いに照らし、照らされ生きている



2013年10月下旬作


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