『賭博者的活動写真』2012-04-03
孤独で胸が張り裂けそうな夜ばかりだった
誰もいない暗い部屋に溶け込むのが心地よかった
電車の前に身投げしたくなる衝動を抑えるのに必死だった
通りすがるすべての人々に笑われているような気がした
聞こえないはずの声が聞こえ、聞きたい声は聞こえない
1/1だったはずの俺はいつの間にか1/1200万になった
悲しくて、情けなくて、心細くて、どうしようもなく無価値に思えた
やりたいことがあったのに、それが何かも思い出せなくなった
ただただ、今日という日を乗り切ることだけで精一杯
ゴミ箱の中で、もがいてあがくガラクタみたいな日々だった
そんな日々も今は昔
胸を突き抜ける孤独感はもろかった俺の心を鍛錬していた
暗闇に身を浸していたから、薄日でさえ有難いと思い知った
身投げしたい気持ちを抑えていたのが何なのかを思い出した
たとえ俺を嘲笑うヤツがいたとしても、もはやどうでもよくなった
聞き取れないような誰かの叫びもなんとなく感じられる気がした
1/1でも1/1200万でもなく、今も昔も半人前だと気づいた
いつの間にかモノサシをいくつも見つけることができた
目指した場所と違っても、これもアリかと思えるようになった
ガラクタだと思っていたものが今の俺の背中を支えている
大事なものは失ってから気づくことが多い
無駄だと思ったことが無駄ではなかったと後から気づく
瞬間、瞬間を写真のように切り取っても判断できない
頬がこけるほど泣いた子の次の写真が満面の笑みで
勝ち誇ったヤツの次の写真が遺影になるかもしれない
俺たちは写真ではなく動画の中で生きているのだから
振り返ることはできるけれども、一寸先も見えない
それは暗闇ってことでも、眩いってことでもなく
明暗も苦楽も生死も何もかもがわからないってこと
石橋を叩いて渡る者さえギャンブラー
明日負けてもいいし、明後日負けても凹むなよ
死ぬ瞬間に笑顔であれたら、すべては報われる
|
|