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作品名:ねぶの詩集4 作者:ねぶ

第21回   『どうでもいい』
『どうでもいい』2013-01-06


「どうでもいい」

最近、そんな言葉を口にすることが増えた

別に投げやりになっているわけじゃない

でも、どうにもならないことがあまりに多すぎて

割り切って考えないとやりきれないんだ



遠い異国では今も紛争が起こっていて

罪もない子どもたちが次々と死んでいく

芸能人の何某ができちゃった結婚をした

歴史を覆すような出土品が見つかった

いずれも僕にとってはどこかファンタジー



明日も大雪だったら運転するのはうんざりしそう

請け負った仕事の結果を出さねばならないなあ

仕事の合間にでも久しぶりにアレを食べようか

そんなありふれた日常以上のリアリティはない

こんな僕は想像力が足りないのだろうか?



目の前の液晶画面はリアルをこし取るフィルター

フィルター越しのリアルでも気持ちは揺れるけれど

目の前にあるリアルには遠く及ばない実感だから

しばらくすれば、やっぱりどうでもよくなってしまう

どうにかできる目の前の物事を精一杯やるだけ



自分でどうにかできることはなんとかしたい

自分でどうにもならないことはどうでもいい

そんな風にうそぶいている僕だけれど

割り切れなさがこびりついて離れない

どうにもならないのに、どうにかしたい


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