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作品名:ねぶの詩集4 作者:ねぶ

第195回   『濁流』
『濁流』

激しい濁流が押し流していく

無慈悲に、容赦なく、大勢で

木々を、建物を、生物を

社会を、時代を、こころを



最初から濁流だったわけじゃない

流れは清かったのかもしれない

水量は少なかったかもしれない

濁りはほんの一滴かもしれない



周りに染まってしまうから

流れに抗うことが怖いから

濁りを浄化しきれないから

理由はいろいろあるのだろう



でも



大事な何かを奪われた誰かへ

大事な何かを失くした自分へ

言い訳なんてできるわけがない

心のカケラがあるなら偽れない



コンビニで買ってきたような

3分でお手軽に作れるような

大量生産で後付けの個性などではなくて

生まれながらのカケラが残っているのなら



2017年11月17日作
2017年12月10日ラジオNIKKEI『私の書いたポエム』放送分


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