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作品名:ねぶの詩集4 作者:ねぶ

第155回   『恋の病』
『恋の病』

窓際の君を見つめる視線がある

物理的距離は約10mだけれど

ココロの距離は計り知れない

「ココロの距離を計れるモノサシを

クリスマスプレゼントにください」と

星の見えない夜空にそっとつぶやく



笑顔で「おはよう」と言われただけで

一気に距離が詰まった気がする一方で

他のヤツと笑顔で話しているのを見ただけで

絶望的なまでに距離が遠ざかった気にもなる

こんなぬぐえぬ想いを「恋の病」と呼ぶのなら

どうか病院は「恋愛科」を用意してください



たった一言で決着はつくと人は言う

オトナになってしまった僕も言う

その一言を言いたくて言えないのは

「臆病だから」だけじゃなくて

きっと本当に大好きだったから



そんな誰かがほほえましくて

今では少しあこがれてしまう


2005年08月28日作
2016年12月9日加筆修正
2016年12月25日ラジオNIKKEI『私の書いたポエム』放送分

【あとがき】
作ったのは11年前ですが
11年前の気持ちでもなくて
今から20年前の気持ち、高校時代の想いです。
11年前に、さらに9年前を思い出して書いた詩です。
それをさらに加筆修正(主に後半)しています。
でも、手を入れたら作った時点での
熱量がやや薄まってしまった気もします。


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