『橋』
前人未到の地の前に
横たわるのは大きな川
向こうに見えるのは
希望という名の蜃気楼
渡るのは無理だと誰もが言う
それでも渡ろうとした想いを
渡らない人がどうして笑えるだろうか?
簡単に渡れる川じゃない
飲み込むような渦巻く川
水面から見えるのは
成りそこねた夢の残がい
他を目指すべきと言うけれど
そこで諦めてしまうのならば
残がいが本当の無駄になりかねない
無駄にするのも活かすのものちの人
たとえ、ヨコの想いがとどめても
一方で、タテの想いが背中を押す
向こう岸へ届くその時までは
無駄に思われた残がいでも
届いた時には橋となる
想いを繋いだ橋となる
2016年10月5日作 2016年10月18日加筆修正 2016年11月6日ラジオNIKKEI『私の書いたポエム』放送分
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