『眠りに就く前に』
眠りに就くのが怖かった
理由はないのだけれど
このまま目を閉じたら
もう二度と起きられない気がした
意識のある僕が
無意識の僕を信じられない
そういう感じだった
余裕がなかったのかもしれない
無駄なものをを手いっぱい抱えて
そして、手にすべきものを失っていた
そんな気がする
人間の容量には限りがある
時間、体力、心のスペース、その他諸々
今はそれにほんの少しだけ余裕ができた
だいぶ遅れてしまったけれど
失ったものを今からでも詰め込めるかな
そんなことを考えながら眠りに就こう
今夜はきっと良い夢が見られるに違いない
2007年4月28日作 2016年7月10日ラジオNIKKEI「私の書いたポエム」放送分
|
|