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作品名:ねぶの詩集4 作者:ねぶ

第133回   『子どもサロン』
『子どもサロン』

昔はサロンがたくさんあった

今のコンビニの数に近いほどに

でも、売っているものは

コンビニよりもずっと安くて

でも、小学生だった僕らには

それさえも思うように買えなくて

50円のアイスを買うのも一大事

漫画雑誌を買うにはスポンサーから前借りだ



10円ガムのくじの大当たりで

100円分の買い物ができた日には

1週間分のツキを使い果たしそうで

人気の漫画雑誌の発売日に

配送のトラックの到着を待つ想いは

「一日千秋」どころか「一秒万秋」

今思うと、不便で不自由なことばかり

でも、どうしようもなく楽しかった



少子化の影響か?娯楽の多様化か?

サロンはどんどん減っていった

近所には一軒だけまだあるけれど

いつ閉店になるかもしれない

時代の流れといえばそれまでだけど

クラスの壁、学年の壁、学校の壁

そんな壁を越えられるサロンが

次々と消えていくことがさみしい



2016年5月30日作
2016年7月3日ラジオNIKKEI「私の書いたポエム」放送分


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