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作品名:ねぶの詩集4 作者:ねぶ

第11回   『対』
『対』2012-07-09


昨日、仕事帰りに見た夜景は

ささやかだけど、とてもキレイで

独りで眺めるのはもったいない

そんな風に思えたんだ



日々、職場に向かう電車が

徐々にだけど、心むしばんで

独りで過ごすには耐えられない

そんな風に思えたんだ



独りでいることに慣れたベテランは

喜びを適当におすそ分けできるし

苦しさだって胃の奥へ押し込める

それぐらいの処方箋を誰だって持ってる



それでも本当は今日だって

何食わぬ顔して過ごしてるけど

身体の奥の奥の、そのまた奥が

キリキリと痛んでしょうがないんだ



そんな積み重ねた年月や経験が

大して意味もない計算をさせるよ

喜び×理解者=喜び÷1/2

苦しさ×理解者=苦しさ÷2



誰でもいいわけじゃない

分かり合えないなら分かち合えない

喜び×無理解者=喜び÷2

苦しさ×無理解者=苦しさ÷1/2



僕にとって君はどうだろう?

君にとって僕はどうだろう?

互いに必要でなければ関係は成り立たない

独りでいれば喜びも苦しさも何も変わらない



計算できない明日に人生を賭けてみたいんだ

明日がダメなら明後日、明後日がダメなら……

ひどくくだらなくて、どうしようもない今日だって

期待は捨てきれないから今日も明日を待ってる


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