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作品名:ねぶの詩集3 作者:ねぶ

第92回   『心流れ』
『心流れ』

カネがあればいいってもんじゃない

だけど、カネ持ちケンカせず、貧すれば鈍す

カネは心の潤滑油、無ければギスギス

ギスギスしてたら、たぶん摩擦で点火

ブログは炎上、おじさんはカッカ

焼け跡を見るとだいたいはゲンナリ

おじさんの怒りは周りに飛び火



怒る人に怒られる人

怒りは上流から下流へ

いつしかその熱は冷めていき

苦悩や哀しみが流れているよ

多数の負の感情が河口に注ぎ

河口の人と一緒に消え失せていく



河口の人が怒ったわけじゃない

河口の人が哀しいわけじゃない

河口の人に何の罪があったのだろう

ただ河口にいただけで辛い気持ちを背負いこむ

もちろん誰も河口になんていたくない

けれども、流れはあまりに急すぎて遡上できない



負の感情を下流へと流すだけならば誰だってできる

もしも途中の誰かが化学変化させられたなら

せめてその感情をわずかでもろ過できたなら

ほんの少しのやさしさをみなが持てたなら

河口にいる人は消えなくても済むのかもしれない



辛い気持ちが合流するように、やさしさだって合流する

101%のやさしさは累乗を繰り返して河口では200%

100%のやさしさじゃ遡上できなくても

150%なら、200%なら遡上できるかもしれない

遡上できた人はきっと哀しみもやさしさも抱いているよ



無理をすることはない

できる範囲でかまわない

爪先ほどのやさしさだけが世界を救う

大それたことを述べたけれども

目の前のあなたの笑顔が見たいだけ

ただそれだけの気持ちなんです


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