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作品名:ねぶの詩集3 作者:ねぶ

第86回   『1/3=0.3333333……+0.0000……1の真実』
『1/3=0.3333333……+0.0000……1の真実』

「○○○について、◆◆◆人を調査したところ

△△△という結果が出ました」とエラい先生はおっしゃる

まるで水戸黄門の印籠のようで、ひれ伏してしまいたくなる

科学的、客観的という言葉が「正義」のように扱われる現代

一方で非科学的、主観的な意見は塵芥のごとく軽んじられる

世の中は白と黒、0と1、善と悪なんて単純じゃないとみんな知っているだろう?

知っているのに、知らないフリをしているの?それが僕は悲しい



科学の力はあんなに重いジャンボジェット機を空に飛ばせる

それどころか、何十年も前にヒトを月へと行き着かせた

掌サイズの携帯電話で世界が見えるような時代になり

紙幣ではなく、パソコンの画面上でお金が動き回ります

生まれる前からお腹の中の赤ちゃんの性別もわかります

科学で分からないことなど何もないような気さえする

でも、それはまったくの錯覚に過ぎない



気象予報士は明日明後日の天気も断言できない

ましてや地震や竜巻の発生の予測なんてできない

絶対に事故が起きないはずの原発でトラブル頻発

OSを何度アップデートしても、トラブルは0にならない

1/3を小数で表せないし、円周率の終わりも見えない

どんなに完璧な理論であっても、扱う人間が完璧じゃない

だから、完璧に誤った結論にたどりつくことなんてザラ



科学の恩恵を僕は十二分に享受しているけれども

科学は万能じゃない、科学を盲信することなかれ

それを扱うもの次第で善にも悪にも変わりうる

1/3は0.3333333……+0.0000000……1である

0.0000000……1が真実じゃないと誰が言えるのか?

世の中なんて割り切れないものだらけじゃないか

でも、それは善し悪しとか好き嫌いとかの話じゃない



ただ、世の中は完璧じゃないからこそ面白い

ただ、完璧を目指そうとする人間は美しい

たとえ、完璧にたどりつけなかったとしても

ドラえもんでもいなければ僕の明日はわからない

どんな科学であっても君の明日を知るものはいない

科学的、客観的に見て、明日が99.999……%の絶望だとしても

希望や幸せを決めるのは0.000……1%の僕らの主観なんだ


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