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作品名:ねぶの詩集3 作者:ねぶ

第75回   『星のない空』
『星のない空』

子どもの頃はよく空を見上げていた

その空には満天の星が輝いていた

手を伸ばせばつかめるような気がした

暗い夜を明るく照らし出していた

怖いものなんて何ひとつなかった



いつからだろう?

見上げた夜空に星が見えなくなったのは

どうしてだろう?

手を伸ばしても届きはしないと思ったのは

考えてみてもぼんやりとしてわからなかった



気づいたときには下を向いてうなだれていた

わかった振りをして、諦めていたのかもしれない

活きているのではなく、死んでいないだけだった

きっといつの日も星は僕を照らし出していたのに

ココロのまぶたを自ら閉ざしていた



夢を夢見る年頃はもうとうに過ぎ去った

それでも、もう一度あの星をつかみたい

つかめるかどうかなんて問題ではない

つかもうとすることこそが僕には大事なんだ

見上げれば視力の落ちた目にも北極星は輝いていた


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