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作品名:ねぶの詩集3 作者:ねぶ

第70回   『ジャンクション−route777−』
『ジャンクション−route777−』

人と人との出会いが直線と直線の交点だったら

分かれたあとは次第に遠ざかっていくだけ

そんなのは悲しすぎると誰かがつぶやいた

そうじゃない、そうじゃないと必死に僕は訴える



僕らの進む道は単調な直線なんかじゃない

曲がりくねり、起伏に富んで、未舗装だろう

そして、願わくは環状線であってほしい

いくつものジャンクションがあるような……



みな環状線を何のために走っているのか

僕らはその意味を見つけたくて走っている

すれ違った人たちに尋ねながら、教えながら

一人ではたどり着けない場所に行きたくて



並行して走っていた人がいたはずなのに

ヘタクソな僕は置いていかれたりするけれど

いつかはこのジャンクションで、前とは違う僕らが出会える

そう信じられたなら、僕のガソリンタンクは満たされていく



走るスピードはみんな違っていて当たり前

他人の迷惑にならなければそれでいい

また君と出会えたなら、君のスピードに合わせよう

そのときの僕はもう初心者ドライバーじゃないから


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