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作品名:ねぶの詩集3 作者:ねぶ

第65回   『無菌室をぶっ壊せ!!』
『無菌室をぶっ壊せ!!』

とある唄があった

その唄は不感症の僕の心の琴線に触れ

聴いているうちに自然と涙があふれてきた



けれども、その唄は放送禁止だった

「土方」という単語が差別用語だという

「土方」のひたむきさ、健気さを唄い

「土方」を肯定的に表現していたのに

文脈を無視した言葉狩りなんてクソ食らえ!!



男には「TIMPO」がついている

女には「MAMKO」がついている

だが、これも放送禁止らしい

実際に誰もに「TIMPO」や「MAMKO」がついているのに

マスメディアの「TIMPO」をちぎってやれ!!



たとえ、単語自体がネガティヴだとしても

大事なのは使う人の意図次第じゃなかろうか?

「メクラの鍼灸師さんにいつもお世話になっていて……」

このような言葉から差別的意図があるだろうか?

文意を無視した言葉狩りなんてクソ食らえ!!



美辞麗句で綴られたイカサマの楽園はぶっ壊せ!!

あるべき言葉を排除した邪悪な無菌室はぶっ壊せ!!

無菌室で純粋培養しても、世の中はバラエティー

お膳立てされた無菌状態は幸せなんかじゃない

大切なのはあるがままを受け入れる許容性だろう


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