20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:ねぶの詩集3 作者:ねぶ

第63回   『虚光の世界−Love the shadow−』
『虚光の世界−Love the shadow−』

太陽、月光、街灯、ネオン、車のライト……

街にはまばゆいばかりの光があふれている

しかし、多くの光は後ろに影を浮かばせない

こんなに光に照らされているというのに

あの人もこの人も、ビルも車も影がない



人々が影を忌み嫌うにつれて

光は影を伴わなくなったのか?

道行く人々は気にも留めていないように見えた

夜であっても、こんなに光はあふれているのに

一方の影はほとんど見当たらない



光と影は表裏一体、切り離せないもので

影なき光はまやかしなんじゃないか

そう思うと、このギラギラした光が

とてつもなく薄気味悪く思えてきた

自分の影のなかに隠れてしまいたかった



振り返ってみると僕の影も

みるみる薄くなっていく

ああ、ああ、ああ、ああ

僕の影も消えつつあった

早く本当の光を見つけなければ



*********************************

【あとがき】
前々作にも書きましたが、言葉と現実が乖離しているように思います。
血液型占いが隆盛し、すぴりちゅあるだかなんだかが流行る時代。
騙す奴が悪いに決まっていますが、騙される人にも落ち度はあります。
光ばっかり見ているから、他人の影に足元すくわれる。
そんな気がします。


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ トップページ
アクセス: 47114