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作品名:ねぶの詩集3 作者:ねぶ

第58回   『あなたに』/『○×ゲーム』
『あなたに』

ガソリンがからっぽで寝たきりの僕は

脳内に自分の世界を広げるしかなかった

寂しかったけれど

脳内の世界に入ってこれる人はいない

僕はほとんど諦めていた



桜の咲く頃に突然やってきたのがあなただった

あなたは「何もできない」などと言うけれど

僕が求めていたものをたくさん与えてくれた



温泉帰りの流れ星

2人で出かけた観光地

貸し借りあったマンガ

冬につないだ手のぬくもり

たくさんありすぎて書ききれない

からっぽだったエンジンタンクを満たしていった



桜の散る頃にあなたは物理的に、心理的に離れていった

きっと生ける屍だった僕を生き返らせるために出会ったのだろう

僕は……そんなに君に何かを与えられたのだろうか?



あなたの入れたガソリンで僕は動いている

不馴れな人生ドライバーとして

ガソリンが切れそうになっても

今ならセルフスタンドで補給できるよ



あなたに会うことはもうないのかもしれない

それでも、いつ会えるかわからないし

そのときには胸を張れる自分でいたい

あなたにとっての僕がどんな存在だったかはわからない

でも、さなぎにとじこもる僕の殻を割った人なんだ



頭やヒゲが真っ白になったとしても

あなたに二度と会えなくても

あなたが忘れたとしても僕が忘れることはない



本当にありがとう

言葉では収まらないぐらいにありがとう



**********************************

『○×ゲーム』





八百長か出来レースみたい

×
×
×

すべてを否定されているみたい


×


これくらいならば御の字だろう

×

×

でも、実際はこんなものじゃないか



×

ガタガタと崩れてしまわぬように

×
×


きっとこれから巻き返せるさ



過ぎたことを悔やんでも仕方ない

「覆水盆に返らず」なんて忘れて

「温故知新」に励むんだ



連戦連勝なんて僕には無理だけど

勝ち越していけるように生きていこう

僕らのレースは未だ終わっちゃいない


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