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作品名:ねぶの詩集3 作者:ねぶ

第53回   『シーソーシーン』
『シーソーシーン』

シーソーに座っていた誰かが

端っこに座ってガタンと落ちる

その誰かはニヤリと笑ってこちらを見た



そして手招きしながら、にじり寄ってきた

笑っていたが、その眼は爬虫類のようで

怖くなった僕は必死に走って逃げ出した



落ちて地に脚を着いてさえいれば

揺るぎない安定感が得られるが

その視界はたいへん限られる



左端にいたって、右端にいたって

そこが本当の居場所なんだろうか?

安定感という麻薬は、時に人を狂わせる



一度、地に着いた脚に力を込めて

宙ぶらりんになるのは不安だけれど

それでも、頑張って飛び跳ねよう



上下左右がほどよく見渡せるくらいに

反対側に座っているであろう誰かが

地面に脚を着かなくても済むくらいに



地に脚がつかない空回りする足元でも

迷い、悩み、もがく、その信念は

どんな幻の大地よりも揺るぎない


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