『ため』
独り善がりに生きることは容易いけれど
誰かのために生きることはそんなに容易くはない
それでも、支えるべき誰かによって
自らも支えられながら明日へと歩いていける
独り善がりに生きることは容易いけれど
自分のために生きることはとても困難なんだ
それは誰かのために生きることよりも困難だろう
けれども、自分のために生きられることこそ本当の強さ
きっと一人きりだと感じるならば、独り善がりになるのかもしれない
でも、無人島暮らしじゃあるまいし、一人きりの人なんていない
目に見えなくても、僕らの身体には無数の糸が巻き付いている
そして、目に見えないから切ろうとしても切れやしない
絡みついた糸が邪魔になったりするけれど
その無数の糸は互いの命綱にもなっている
だから、僕らはみんなのために生きていける
【初出】小説&まんが投稿屋『ねぶの詩集1』/2008年06月24日(Tue)
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