『軸と空間』
末は博士か大臣か
こんな言葉はもはや死語
それでも博士や大臣になれたなら
それはX軸の先端に近いかもしれない
近頃目に付く凶悪犯罪者たち
異常者なんて声も聞こえるけれど
きっとX軸からも外れてはいないだろう
ただ、X軸の逆方向の先端にいるだけだと思う
きっとあの人はX軸にもY軸にもたぶんいない
X軸とY軸で表される平面空間にはいなくて
Z軸を加えた立体空間のどこかにいるのだろう
そのことが幸せかどうかは知る由もないけれど
僕はX軸に近いどこかにいるような気がする
X軸上に在るのはつまらないなんてうそぶいた日々
でも、僕は立体空間をさまよえるほどの気力はなくて
反面で、X軸上に戻ろうとしているのにためらう意気地なし
もう一歩、もう一歩と脚を上げてみたけれど
その脚を下ろすことへの不安がぬぐえない
モタモタしていたら、下ろす場所さえなくなるなんて
そんなことは十分わかっているにも関わらず
明日の僕は、来年の僕はどこに在るのだろう?
望んだ座標になんて行けそうにないけれども
せめて明日に脅えずにいられる場所にいたいんだ
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