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作品名:ねぶの詩集3 作者:ねぶ

第31回   『タイプA』
『タイプA』

誰もが腰に剣をぶらさげた剣士たち

剣豪、女剣士、木刀を素振りする子どもたち

生き馬の目を抜く社会をみんな必死に生きている

それにも関わらず、その剣を抜くのはまれなんだ



誰かを傷つけるのが怖いから、じゃない

誰かに傷つけられるのが怖いから

他人を傷つけなければ、誰にも傷つけられない

そんな風に思っているクセに無邪気に人を傷つける



自らのためには剣を抜くとしても

他人のために剣を抜くものは皆無

もしもそんな人がいても、嘲笑されるのがオチ

我が身可愛さのあまり、みんな見て見ぬ振り



それを責めることはできないけれど

きっと我が身のためにもならない

「情けは人のためならず」



腰にぶらさげた剣は飾りじゃない

勝機がないのに、挑むのは無謀だが

勝機があるのなら、その剣を抜け!



誰かのための返り血は

自分のための汗や涙よりも美しい









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