『タイプA』
誰もが腰に剣をぶらさげた剣士たち
剣豪、女剣士、木刀を素振りする子どもたち
生き馬の目を抜く社会をみんな必死に生きている
それにも関わらず、その剣を抜くのはまれなんだ
誰かを傷つけるのが怖いから、じゃない
誰かに傷つけられるのが怖いから
他人を傷つけなければ、誰にも傷つけられない
そんな風に思っているクセに無邪気に人を傷つける
自らのためには剣を抜くとしても
他人のために剣を抜くものは皆無
もしもそんな人がいても、嘲笑されるのがオチ
我が身可愛さのあまり、みんな見て見ぬ振り
それを責めることはできないけれど
きっと我が身のためにもならない
「情けは人のためならず」
腰にぶらさげた剣は飾りじゃない
勝機がないのに、挑むのは無謀だが
勝機があるのなら、その剣を抜け!
誰かのための返り血は
自分のための汗や涙よりも美しい
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