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作品名:ねぶの詩集3 作者:ねぶ

第20回   『刹那の世界』
『刹那の世界』

目の前に広がるモザイク模様の世界

頭の中にある一糸乱れぬ理想の世界

その間にあるクレバスに陥りそうになる



ある人は助走をつけて飛び越えようとする

またある人はロープを渡して理想の世界を目指す

人はみな、クレバスに陥らないように必死なのだ



でも、目の前のモザイク模様の世界は噂に過ぎない

頭の中の一糸乱れぬ理想の世界は妄想だろう

現実の世界はそのいずれでもない



クレバスでのジャンプ、綱渡り、到達、転落

それに伴う悲喜こもごもの感情

それが現実の世界



たとえ対岸へたどりついても

そこは理想の世界ではなく

新たな現実の世界の始まりに過ぎない



それでも僕が対岸にたどり着いたなら

まずはコーヒーを飲みながらタバコを吸おう

それから時間を気にせずに寝てしまおう



目覚めたときには少しだけモザイクが取れているかもしれない

理想の世界へとほんのわずかに近づいているかもしれない

自らがそう感じること、それもまた現実の世界

今、この瞬間にはおよそ60億の世界が在るのだ



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【あとがき】
皆様、新年明けましておめでとうございます。
新年早々、堅苦しい作品ですみません。
年末年始といろいろもの思うところがあり、
このような作品になりました。
今年も俺および俺の作品のほうをよろしくお願いします。



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