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作品名:ねぶの詩集3 作者:ねぶ

第19回   『立ちション』/『パレット』
『立ちション』

立ちションしていたどこかのオヤジが憎らしかった

後ろから蹴り飛ばしたり、警察に通報してやりたかった

家の外では恥知らずに立ちションなんかしているくせに

きっと家では偉そうに講釈垂れているかと思うと腹が立った



でも、そんな僕もいつしか日々に忙殺されて

そんなくだらないオヤジのことなんて忘れていった

満員電車に揺られて、考えることも忘れて、小言言われて……

小さな頃に夢見た夢や希望もどこかに置き忘れていった



ジングルベルの鳴る季節

飲みたくも無い酒を飲み、我を忘れてしまったら

たぶん僕もそのうち立ちションしてしまうのだろう



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『パレット』

僕のパレットには白、黒、灰色の3色しかない

こんな色では明るい未来なんて描けそうにないよ

どうやっても描いてしまうのはモノクロの将来図



僕とすれ違ったあなたは何色の絵の具を持っていますか?

もしも、あなたがたくさんの色を持っているのならば

僕の灰色とあなたのいずれかの色を交換しませんか?



灰色を欲しがる人はあまりいないと知っているけれど

欲しがってくれた人もいたから、また出会える気がするんだ

どんな色だって構わない

いまだ僕の持っていない色を得られたら

組み合わせ次第で無限の色が広がっていくのだから



僕のパレットがカラフルになった暁には、夜明けの太陽を描こう


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