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作品名:ねぶの詩集3 作者:ねぶ

第148回   『Divided hearts』
『Divided hearts』 2012-01-26 Thu 23:46

目の前に置かれたコップに感情を注いでいく

それはきれいで美味しいものばかりじゃない

穢れて不味いものだって時にはあるさ

胸の中には清濁、好悪、可否……

無数の相反する感情が渦巻いている



1つのコップにすべての感情を注ぎ込めたなら最良だけれど

コップから溢れ出そうと気付いているなら、さらに注ぎ込めない

元より一人の感情のすべてを一人が抱えねばならないルールなどない

旧習に囚われずに、分割収納するほうが理にかなっているだろう

だいたい、一人にすべてを負わせたら、替えが利かないじゃないか?



板チョコの折れ線は伊達に入っているんじゃない

トイレットペーパーのミシン目だってそうさ

感情を割り置きしたほうがきっと楽になれる



分割は切り離すことじゃない

分割した感情は鵜飼いの鵜のようで

ヒモを握っている限り失うことはない



すべてを自分の内に抱えることはない

すべてを一人に抱え込ませることもない

適材適所に想いを割り振りすればいい



それが決してスマートではなく

たとえ少しズルいとしたって

いったい誰が僕らを責められるだろう?


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