2011-09-02 Fri 19:31
『螺旋階段のように』
耳をすませば虫の音
秋雨と共に奏でれば
星空ホールのBGM
それだけでもう十分で
ステレオはオフにする
照りつける初秋の日射しは
稲穂を黄金色に染め上げる
その黄金の海に引かれた
まっすぐな線を駆けたなら
きっとそれだけで満たされる
たぶん駆け抜けた先の林には
まだ青い果実しかないけれど
その実りを容易く想像できる
そして、その想像力こそが原動力
目前のニンジンに食いつく馬のように
取り逃したお宝なんてどうでもいい
今どこにいるかもどうだっていい
考えてもどうにもならないだろう?
この先に何を手にできるのか
期待めいた予感だけがあればいい
たとえ3ヶ月後の吹雪が瞼の裏に浮かんでも
6ヶ月後の花吹雪を頭の中に描けたならば
誰も踏み出す脚を止めたりしないだろう
まるで繰り返されるルーティンワーク
でも、それは螺旋階段のように上へ上へと続いているんだ
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