『正負の感情』
誰かを殺したのは死刑にされたかったから
君を嫌ったのは君に嫌われたと思っているから
君を苦しめたのは君に苦しめられたと感じていたから
四畳半のココロのなかに閉じこもっていたなら
相手の本当の気持ちなんてわかりようもない
それどころか相手の気持ちを踏みにじり
ただ、独り善がりに思いこんでいただけ
−1の感情を受け取って、−1を足して次へと送るのは容易い
次の人は−2の感情を受け取り、−2を加えるのだろうか?
−100を超えたら、−10000を超えたらいったいどうなるんだろう
君を愛したのは君に愛されたかったから
君に微笑んだのは君に微笑まれたかったから
誰かに優しくしたのは誰かに優しくされたかったから
注いだ想いが目の前で反射されるとは限らない
巡り巡って思いもよらぬところから戻ってくる
働きかける思いは必ずどこかで誰かが受け止める
卵が先か、ニワトリが先かなんてどうだっていい
+1の感情を受け取って、+1を足して次へと送るのも容易い
次の人へ+2の感情を送るのも間違いじゃないけれど
+1.1に抑えておいて、負の感情が回ってきたときに打ち消せたらいい
自分が負の感情を背負ってまで、正の感情を送ることは難しい
聖人にはほど遠い僕にはそんな真似はきっとできないだろう
それでも自分が±0で、誰かに正の感情を送れるならば送るさ
それだけで世界はほんのわずかだけ正へ向かうと信じている
(2011年5月19日作)
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