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作品名:ねぶの詩集3 作者:ねぶ

第132回   『触媒』
『触媒』

一歩を踏み出すことがひどく不安で

道を誤ったなら二度と戻れないようで

ささいな物音は背筋につららを射し込む

今夜も独り、漆黒の山中を歩いている



ここはどこだ?

あれはなんだ?

ぼくはだれだ?

なにもかもわからない



巡り巡る思考の末のタイムロス

気づいたときには置いてけぼり

考えるヒマよりも感じるままのアクション

七転八倒の末の七転八起でオーライ



なんとかなるさ

なんとかなるさ

なんとかなるのにどうにもできない



万物流転が世の常ならば

僕が動けば、僕の周りが変わる

さらに僕の周りが僕を変えていく

それはまるで螺旋のように



こんなわからなさは死ぬまで決して消えることはないだろう

でも、わからなさを不安に変えるのも、期待にするのも僕だ

それは絶望にも希望にも変えられる表裏一体のもの



なんとかなるさ

なんとかなるさ

なんともならなくてもなんとかなるさ

(2011年5月4日作)


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