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作品名:ねぶの詩集3 作者:ねぶ

第131回   『誰にも言えない』
『誰にも言えない』

まるでゲロのような感情が僕の中に沈殿している

でも、僕はそれを吐き出したりなんてできないよ

吐き出したとしても何も解決しないと諦めているから

それで僕は一時のカタルシスを得られるかもしれない

一方で、ゲロみたいなものをかけられた方はたまらない

それにゲロみたいな感情を吐き出すなんて恥ずかしい



もはや市販の胃腸薬を飲んで治るような感情ではなく

麻酔をうたれて、手術で取り除くべきなのかもしれない

ゲロなんて生易しい感情ではなく、きっともっとひどい

駄々っこみたいに泣き叫べたらどんなに幸せだろうか

そんな相手はいないし、そんな真似もできやしない

せめて声にならない嗚咽を蚊のなくように漏らしたい



ホントはそれが喉元まで出かかっているんだよ

でも、今までだって無理やり胃の中へ押し戻して

喉元過ぎればいつしか不快感も薄まっていった

そんな日々をいったいどれだけ繰り返してきただろう

今はやり場のない感情 それを消化していく日常

他人が僕を諦めたとしても、僕を僕を諦めてはいない

(2011年4月27日作)


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