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作品名:ねぶの詩集3 作者:ねぶ

第128回   『How much is the price of your life?(Remake)』
『How much is the price of your life?(Remake)』

「人間一人の命は地球よりも重い」

昔のエラい作家さんの言葉である

「ヒト」の命の重さは平等かもしれない

ホモサピエンスが一匹死んだだけだ

だが、「人間」の命の重さは不平等



若者と高齢者では命の重さが違う

これから稼ぐであろうカネが違うから

東大生と中卒でも違うのだろう

大臣と会社員でも違うのだろう

善し悪しではなく、それが現実



カネがあれば最先端医療で救われる命がある

一方で、食べるものさえなく失われる命がある

明るい明日を夢見ながら絶ち切られる命がある

夢見ることさえできずに絶たせられる命がある

好き嫌いではなく、それも現実



ゴミほどの価値もない命がある

コンビニで売っている価値の命がある

高級百貨店で売られる価値の命がある

お金じゃ換えられない価値の命もある

第三者の立場から見たならば



オバマ米大統領と俺のばあちゃん

オバマ大統領のほうがずっと若い

オバマ大統領には強大な権力もある

地球上における重要度は他者とは比較にならない

でも、小さな俺にはばあちゃんのほうが大切なんだ



裁判所や保険会社が値をつけない命

自分自身でさえも無価値だと感じる命

でも、あなたの命はあなただけのものじゃない

あなたの周りの人にとってはかけがえのない命

あなたの命の処理には周囲の人間の許可が要る



そして、その価値を受け止めるのは自分自身

価値のものさしなんて、どこにも売っていない

降り注ぐ雪のような冷たい判断と

行き場のない燃え盛る熱い感情

それらは矛盾しながらも釣り合っている



命の価値は不平等

知らない誰かの命は僕にとっては数字でしかない

知っているあなたの命は数字ではとても表せない

(2011年3月18日作)


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