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作品名:ねぶの詩集3 作者:ねぶ

第126回   『未来よりも早く』
『未来よりも早く』

気づけば僕ももう若くはない

ふと後ろを振り返ってみれば

落としてきたものがいくつもあった

2つの腕じゃ抱えられる物に限りある

くすんでいた石ころは捨ててしまった



振り返ってももう取り戻せない

こんなものがあるから辛かった

死にたくなるほど捨てたかった

そんなものを今は求めている

取り戻せないから欲しかった



くすんでいた石ころを持っていたなら

それは価値あるものになったのかなあ

どうにもならない事が頭から離れない

誰かに捨てられたんじゃない

僕が選んで捨てたはずなのに



たぶんその石ころと同じ様なものが

それより僕にとって大切ななにかが

今の僕のなかにもきっと埋まっている

未来の僕が失って後悔する前に

現在の僕が掘り起こせればいいさ



掘って掘ってまた掘って……

ああ、出てくるものはゴミばかり

掘って掘ってまた掘って……

でも、そんなゴミ片付けも悪かないよ

僕はきっと大切ななにかへ近づいている


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